ポスターの活用

Jolly Phonicsを教えていくうえで、とても便利なのがポスター。
ちょっと紹介しますね。


Jolly Phonics Letter Sound Poster
これは基本の42レターサウンズが載っているポスター。
MamiECでは、壁に貼り付けています。
華やかでかわいいし、レターサウンドを思い出すヒントの絵が描かれているのでとても便利。
生徒もしょっちゅう見ているポスターです。

Jolly Phonics Alternative Spelling and Alphabet Posters

42のレターサウンズを教えたのち活躍するのがこのふたつのポスター。
ひとつはアルファベットポスター。
このポスターのいいところは、書き順が書いてあるところ。
特にJolly Phonicsで英語を学ぶと、小文字はひとつづつしっかり導入していきますが、大文字はまとめて教えることになるので、書き順が書いてあるのは助かります。

もうひとつはオルタナティブスペリングポスター。
これはとってもJolly Phonics的(笑)。
同じ音でも違う綴りのもの(例:ee,ea)をまとめてくれているポスターです。
これについては、Jolly Grammar1を教えるときに復習として使っています。

ポスターは知識の整理に便利でいいですよね。
Jolly Grammar1,Jolly Grammar2に対応したオリジナルポスター、作成中です。

母音の一覧

母音は一体何種類あって、どのような音なのか。
本によって色々異なりますが、
「日本人のための英語音声学レッスン」ではアメリカ英語の母音音素は21個と記載されています。
「Vowels and Consonants」では、15個あると記載されています。
(それぞれ数の数え方に条件をつけておられますが。)
Jolly Phonicsの基本の42音表の中には17の母音が紹介されていて、Vowels and Consonantsの本で紹介している15個の母音はすべてカバーされています。

自分自身の整理のため、母音の一覧表を作りましたので、あげておきます。

 

番号 Jolly Phonicsで、基本の42音(レターサウンズ)に入っている母音 15とあるのは、アメリカ英語の基本15母音 Jolly Phonicsでの呼び名 例:b-dの間の音 Round(口の形) height(舌の位置) backness(舌の引き具合) 「日本人のための英語音声学レッスン」による補足
1 a 15 short vowel bad 舌の位置が低く、空気の通り口が広い
2 e 15 short vowel bed
3 i 15 short vowel bid *1音の長さは単語によって異なるので、区別しない立場
4 o 15 short vowel bod 舌の位置が低く、空気の通り口が広い
5 u 15 short vowel bud
6 ai 15 long vowel bayed
7 ee 15 long vowel bead 舌の位置が高く、空気の通り口が狭い *1音の長さは単語によって異なるので、区別しない立場
8 ie 15 long vowel bide
9 oa 15 long vowel bode
10 ue(yoo) long vowel
11 oo 15 buddhist 口をすぼめる 舌が後ろに動く *2 音質自体も違うので区別する。
12 oo 15 booed 口をすぼめる 舌の位置が高く、空気の通り口が狭い *2 音質自体も違うので区別する。
13 ou 15 bowed
14 oi 15 boyd
15 er 15 bird
16 (al) 15 bawd Jolly Phonicsでは、allのalとforkのorは同じ音となっている。 alはJolly Grammar1で学ぶ。基本の42表に入っているのは、or
17 (or)
18 ar

この表を作ることで自分としては「母音に関する疑問」がずいぶん整理されました。
まずは、短母音と長母音という呼び名と実際の音の長さについてです。
私は特にiとeeについて、Jolly Phonics(正確にはJolly Grammar1)と英和辞書との表記が違うので、辞書に合わせて教えるようにしていたのですが、「日本人のための英語音声学レッスン」のように、そもそもiとeeとは区別しない立場もあるということで、安心しました。
また、ueはそもそも母音ではなく、y+ooなんですよね。また、ooは音声学や音韻学では短母音とされているけれども、通称では短母音に入れてもらっていない。ですので、論理的というよりは、Phonics上の通称名として短母音、長母音を教えればいい、ということになると思います。

次に、母音の作り方についての説明についてです。
母音は唇をつかったり、舌を上げたり引いたりして作り出されるもので、科学的には舌がどのような位置にあるときにどの音が出るかがわかっている・・・けれども、自分自身で舌の位置を感じるのは難しい。
というのが、結論だとは思うのですが、母音の中には、舌の位置がわかるものもあります。
それが、a,o,ee。ですので、これらの音を説明するときに、音と舌の位置の関係を説明するとよいですよね。

Jolly Grammarについて。

最近は、ジョリーフォニックスのトレーニングをする際に、できるだけジョリーグラマーの紹介もするようにしています。当教室では2年目以上の生徒が多くなり、Jolly PhonicsよりもJolly Grammarを学んでいる生徒の方が多くなりました。Jolly Grammarは、子どもたちがわかりやすいようにという視点で体系的に整理された、読み書きのためのプログラムで、教える私の方も上手く構成されているなと感心しています。ジョリーフォニックスで教えている方には、できるだけジョリーグラマーも使って欲しいと思っています。
ということで、今回は少し詳しくJolly Grammarを紹介したいと思います。

1.Jolly Grammarは実はJolly Phonics

1年目は、Jolly Phonics。2年目はJolly Grammar1ということだと、もう2年目は、Jolly Phonicsを卒業してしまうのか?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、Jolly Grammarでもひきつづき文字と音の関係を学んでいきます。
1レッスンが二つのパートになっていて、一つ目がフォニックス、二つ目が文法です。
フォニックスパートでは、毎回スペル練習とディクテーション練習があり、今まで習ってきた文字と音の関係を復習しながら、新しい文字と音との関係を学習できるようになっています。
Jolly Grammar1で扱うフォニックスは、1年目のJolly Phonicsで学んだものの復習的な要素が強いです。難しいダイグラフ(sh,ch,ngなど)を復習したり、オルタナティブスペリング(ay,eaなど)を復習したり・・・。もちろん新しいコード(whなど)もありますが。
Jolly Grammar2からは、本格的により難しいつづり(phでfの音など)を学んでいきます。

2.低年齢の子どもに文法を教えるアイデア満載

Jolly Grammar1は、低年齢の子どもに文法を教えるプログラムのため、こどもがわかりやすいように、工夫がされています。
ネイティブの子どもたちがどんなふうに文法を学んでいるのかってすごく興味がありますよね。
Jolly Grammar1では色々な文法事項を扱っていますが、私自身は「品詞」にこんなに時間をかけているのかと驚きました。
確かに、品詞をしっかり把握しておかないと、単語をうまく操れないんですよね。複数形は「名詞」にsuffixをつける。過去形は「動詞」にsuffixをつける・・・。
文型はもっとあとです。Jolly Grammar3になってから。文型の前に、どの文にも動詞は必要だねということからはじめます(Jolly Grammar2)。
あと、be動詞もきちんと扱うのは、Jolly Grammar2になってから。わかりやすいように、動詞=動作の単語と教えるので、Jolly Grammar1で、動詞として紹介される単語は動作を伴った単語ばかりとなります。
だからといって、ディクテーションの例文なども文法的にすごく制限されているかといえば、そんなことはない。Jolly Grammar1で、be動詞の過去形も出てくるし、完了形まで出ています。ただ、単語が今まで習ってきたPhonicsを知っていれば「音から書ける」単語になっているのです。ですので、Jolly Phonics育ちの子どもならば、ディクテーションはできてしまうのです。

3.音節(Syllables)がそんなに大事なのか

Jolly Grammar3の途中からは、毎回「音節数え」が始まります。
正直なところ、「音節がそんなに大事なのか」という大きな疑問がわきました。
そこで、母音の本や音声学、音韻学の本を読むことになったのですが・・・。
Jolly Grammarの説明書きでは、音節認識は、
-スペル向上
-アクセントに気を付ける
ためによいと書かれています。
ただ、実際に自分で音節数えをしはじめると・・・結局は「単語との戦い」です(笑)。
特に(1)アクセントのある母音の位置を把握しているか、そしてそれはどんな音か。(2)アクセントのない母音の音はどんな音か(3)そもそも母音が無いものに母音をつけていないか。
が試され、かなり勉強になります。

4.Jolly Phonics, Jolly Grammarをどこまで教えるか

昨年Jolly Grammar4が発売されましたが、これについては、まだあまり教材研究ができていません。
当教室では、Jolly Grammar3までは教える予定ですが、Jolly Grammar4については、まだ迷っています。
GrammarはよくWritingのためだと言われます。Writingの目標として掲げたいのが、「パラグラフを書けること」です。Jolly Phonics1で最小単位(レターサウンド)について学び、Jolly Grammar1,2で単語や文について学び、Jolly Grammar3では、とうとうパラグラフも登場するのです。
もう少し私自身がJolly Grammar4の教材研究をしながら、生徒の希望も聞きつつ、導入するかどうか決めたいと思っています。

日本人のための英語音声学レッスン

前に紹介したIntroductory Phonologyによると

To sum up, to a greater or lesser extent, learners of foreign languages are prisoners of their own phonologies.

-つまり、大なり小なり外国語学習者は母語のPhonologies(音韻ルール)に囚われているのだ。

はい、そのとおりです。

In principle, explicit knowledge of the phonology of both native and learned language could be of help to foreign language learners in achieving a correct accent, and some foreign language textbooks do provide systematic training of this kind.
(意訳になりますが)
-母語と外国語の両方についてPhonology音韻ルールをよく知ることが、きちんと発音するためには、よい。そして体系的にこの種のトレーニングを提供してくれる外国語テキストがある。

Jolly PhonicsはPhonology(音韻ルール)を学ぶプログラムではありません。
けれども、最近いくつか音声学(Phonetics)や音韻学(Phonology)の本を読んだ知識をもとに、改めてJolly Phonicsを見てみると、Jolly Phonicsが音声学や音韻学の知識があるから方から見ても、とても上手く組み立てられているプログラムなんだろう、と思います。文字を学びながら、上手く音の種類(phoneme:音素)も学べるようになっているからです。

では、実際に文字と「音」を教えていく時にどうするか。子音については、音を出す場所が特定できるので、説明しやすいですよね。問題は母音。
これについては、私は、HarcourtのSounds of lettersというCDの説明を参考に説明していたのですが、日本語との対比もきちんと把握しておきたいと思い、先ほどのIntroductory Phonologyにアドバイスにしたがい、「日本人のための英語音声学レッスン」という本を読んでみました。


日本人のための英語音声学レッスン

正直言って、前半の音声学のところは、英語の本の方がわかりやすかった・・・。日本語で読んだ方が難しいって不思議ですが。
けれども、英語の母音や、子音の説明については、さすがです(←偉そうかな)。
詳しくは本を読んでいただきたいですが、たとえば
a(Jolly Phonicsのレターサウンド表記してます)・・・これはアとエの間の音で、それはエじゃないの!?とつっこまれる音です。
aとeは「音質がほとんど同じになることも多い。そのため鍵は長さで、aの方が長めになることを利用するとよい。」とのことです。
私は、ここに口の開け方の説明も加えています(aはあごを落とす,eは口が横に行く)。
あとoとuは、oが「口の開きが大きく長い」uは、「口の開きが小さく短い」となっています。
aとoはともに「短母音」と教えるので、この点、どこまで長くするか教えているものとしては気を遣うところですが、長母音をもーっとひっぱって教えればよいかと思います(笑)。
↓著者の方のサイトです。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/takeh_m/

小学校へのフォニックス導入について

昨日投稿したブログの反響が大きくて、びっくりしています。
私自身は、気づくのが遅かったと思っているのですが、英語教育業界の人もまだご存知ない方が多かった、ということなんでしょうね。

大阪市や大阪府で英語を教えている方については、これからいろいろ影響が出てくるかと思います。
フォニックスを教えていると、単語に接するときに「フォニックス的視点」というようなものができるんですね。
これから大阪府内の小学校を卒業した子どもは、このフォニックス的視点を身につけることになるので、中学生や高校生に英語を教えている方もフォニックスを知っておいた方が絶対いいですよね。

小学校への導入スケジュールについては、「府内公立小学校英語学習パッケージ開発委託業務 受託事業者選定企画提案 公募要領」に、「英語学習パッケージについては、平成26年度から平成27年度までの間で開発を行い、平成28年度以降、府内市町村の意向に応じて、公立小学校での展開を図ります。」との記載があるので、再来年開始ということですね。

昨日も紹介したページ

http://www.pref.osaka.lg.jp/shochugakko/koubo26/index.html

の中で、英語を教えているものとしていちばん参考になるのが、マスタープラン案(yo3a1fuというエクセルファイル)。
もちろん、いちばんの関心事はフォニックスなのですが、それ以外で私自身が注目したのは、「本」と「文法」。本については、具体的にどの本を読むかのサンプルが書かれていて、小学校3年生から読んでいくことになっています。文法は、入っていないですね。これについては、中学以降に任せるということなんだと思います。

最終的にどのようなプランになるのか・・・、また小学校英語教育が各地でどのように変革されていくのか・・・楽しみです。

当教室は、本国イギリスでのNo.1フォニックス、Jolly Phonics+Jolly Grammarでがんばりますよっ!

大阪府も小学校にフォニックス導入確定なんですね。

そういえば去年、大阪府の教育関係者向けのJolly Phonicsのプレゼンに呼んでもらったなぁ・・・と、気になって調べてみたところ、決まっていました!

http://www.pref.osaka.lg.jp/shochugakko/koubo26/index.html

大阪市と同じ株式会社mpi松香フォニックスが最優秀提案者に決まっていますね。
これを受けて、学校教員用の研修(大阪府教育センター:小学校「外国語活動」アドバンストセミナー)もはじまるようです。

http://www.osaka-c.ed.jp/category/training/current/jugyouryoku.html

残念ながらJolly Phonicsは採用されませんでしたが、「小学校にフォニックスを導入」の流れは確実ですね。

具体的にどのようにフォニックスが教えられていくのか、これについては、府提示案補足資料(フォニックス導入ステージ。yo7fuhosokuというエクセルファイルです)があるので、これに似通ったものになるのでしょう。

つまり、
Stage 1 (1)子音1文字1音 (2)短母音
Stage 2 (1)サイレントe (2)子音ブレンド(Initial Consonant Blends)
Stage 3 (1)子音ブレンド(Initial + Final) (2)母音ダイグラフ(2文字1音)
Stage 4 (1)母音ダイグラフ (2)子音3文字ブレンド (3)r化音
の順です。

Jolly Phonics的視点から感想を述べますね。

(1)基本の42表のようなものがない・・・音の一覧性が無いのが残念です。
Jolly Phonicsでは、基本の42レターサウンドというものがあり、この42を7つのグループに分けて、
第1グループから第3グループまでは、子音1文字1音、短母音を教え、
第4グループから第7グループまでで、子音1文字1音、母音ダイグラフ(いろは歌のように、音の重なりが無いもの)、子音ダイグラフ(同じく音の重なりがないもの)
を教えます。この基本の表が、文字の種類も音の種類も学習でき、本当に便利なんです。
これが無いのは残念だなぁー。

(2)Stage1 Jolly Phonicsの第1グループから第3グループ相当。ただ、第4グループ以降の子音1文字も入っています(j,x,y,vなど)。あとqはJolly Phonicsではquですがqのままになっていますね。

(3)Stage2 母音ダイグラフを教える前にサイレントeを教えるんだ・・・とちょっとびっくり。
 先にアルファベットの名前を教える(Jolly Phonicsは教えない)から大丈夫なんでしょうね。
 phはJolly Grammar2で学ぶちょっと高度なコードですがもう出てきています。
子音のブレンドが母音ダイグラフより先に出てくるんだ・・・。基本の表がないから、それでいいのか・・・。

(4)Stage3 子音ブレンドの紹介がけっこう多くて丁寧な感じがします。母音ダイグラフは、二文字目サイレントが先。これはアルファベットを先に教えるからこうなるんでしょうね。

(5)Stage4 Jolly Phonicsでは基本の42音に入っているダイグラフがけっこう後に出てきます。r化音もこの段階なんですね・・・。

なんかエクセルの表を見ただけで、いろんな感想が出てきてしまって、わたしもすっかりマニアになったなぁ(笑)。
ということで、大阪府全域に小学校にフォニックスが導入されることになり、ますますフォニックスに関心がいきそうですね。
フォニックスに興味のある方は、ぜひジョリーフォニックスも体験してみてください。
↓ジョリーフォニックスを学べる教室リストです。
http://www.mamiec.com/jolly-phonics/#learn

・・・自分の英語教室をリストに入れてなかったので、入れました(笑)。

母音とは、子音とは。

Vowels and Consonantsの本の内容を何度も紹介しておきながら、肝心のことを紹介していなかった・・・。
Vowels(母音)とは、Consonants(子音)とは、の定義です。

この定義がけっこう面倒くさい(笑)。

まずは、vocal tract(声道)という概念です。
vocal tract というのは、vocal folds(声帯)から唇までの空気の通り道。

たとえば、リコーダー(小学校で使う長い笛)って、音を作ってくれますよね。
あのリコーダーは、口にあたるところから息を吹き込まれ、その風が通って音を作ってくれます。
同じように、人間の肺から出た空気が、声帯から口や鼻へと流れていく、この空気の通り道をvocal tractというそうです。

そして子音とは、このvocal tractで何かにぶつかっって作られる音。
母音とは、ぶつからずとも作れる音。

なんだそうです。
・・・。
定義がわかったところで、で母音はどう作るの?という感じですよね。

Introductory Phonology(音韻学入門)では、母音はもっと大変。

Vowels…do not have “place of articulation”
-母音は(子音のように)この場所で作ったらよいというのがない。
Vocal tract as a whole acts as a resonating chamber.
-Vocal tract(声道)全体を響かせて作る。
Modifying the shape of this chamber using movements of the tongue, jaw, and lips.
-舌やあご、唇をつかって声道空間の形を変えることによって。

つまり、舌やあごや唇を使って、その音が出る形をがんばってつくるしかない。
そして、レントゲン写真などで科学的にどの音の時にどの場所がどういう位置になっているかはわかっているけれども、発話者自体が話しながら感覚としてつかむのは、とても難しい・・・それが、母音というもののようです。

ただ、科学的に各母音や子音の波形を特定できているのだから、理論よりもどんどん発声して機械(音声認識ソフト)にコツコツ話しかけ、練習すればいいんじゃないかと思います。
この練習にいいと思うのが、minimal pair(最少対語)と呼ばれる単語ペア。
例えば、hat, hut。
このふたつの単語は、a,uの一か所が違うだけです。
二か所違うかったらダメなんですよね。minimal pairとは言わない。
音韻学(Phonology)の本でよく出ている概念です。

A minimal pair is the most effective way to show that two sounds are distinct phonemes.(Introductory Phonology)
-ミニマルペアは、そのふたつの音が違う音だということをあらわすのに一番効果的な方法だ
と書かれています。

フォニックスから英語を始めると、どうしてもパーツの音にこだわりがちですが、そもそも音が異なるのは単語を認識するためなので、フォニックス学習が進んでくると、聞き取りにくい音や発音しにくい音を含む単語をリストにして何度も声に出して練習するのが、効果的なんでしょうね。
では、母音を練習するヒントの単語を・・・。
beat
bit
bait
bet
bat
but
boot
bought
boat
bite
bout
bert
(Introductory Phonology Table2.2 English phonemesより)

Syllables(音節)も言語による

Peter Ladefoged氏のVowels and Consonantsという本に触発され、音声学そして音韻学の本をいくつか読んでみました。

音声学(Phonetics)と音韻学(Phonology)、ともに言語学(Linguistic)の枝分野です。
Phonetics(音声学)の方は、Peter Ladefoged氏の本にあったように、
(1)どのように音はつくられるのか(production)
(2)それがどのような波になるのか(Acoustics)
(3)その波は、どのように音として認識されるのか(Perception)
を研究するらしい。

これに対してPhonology(音韻学)の方は、
(Phoneticsのデータを元に)言語のルールを研究するものだそうです。

そもそもVowels and Consonantsという本を読みだしたのは、Syllables(音節)についてしっかり把握しておきたいためでした。
例えば、
ideaは三音節。i -di-schwa
です。
日本語読みにすると
アイは一音節だけれど
デ・ア(イ・ア)は二音節になる。
アイが一音節である理由を子どもたちにどう説明するか。

これは、先日紹介したDiphthongという概念で、説明できますよね。
英語には日本語と違って母音がいっぱいあり、途中で音が変わる母音もある。
アイは、アイではなく、ア→ィという途中で音が変わるけれど、ひとまとまりの一つの母音だから一つだ、という方法です。
この点、Jolly Phonicsから入っている子どもなら、元々ひとつの音としてで教えているので教えやすいですね。

では、次に
transplantがtrans-plantとふたつに分かれることをどう説明するか。
tra-nsplantでもなく、tran-splantでもなく、trans-plant。
ccvcc-ccvcc。
これは母音の理解だけでは説明できないし、子音の理解だけでも説明できない。
音節をどう捉えるべきか、という話になります。

これについては、こちらの本(Introductory Phonology音韻学入門)にヒントがありました。

Introductory Phonology (Blackwell Textbooks in Linguistics)

音節をどのように分けるかをsyllabificationというそうですが、
-every language has its own principles of syllabification.
どのように音節を分けるかはその言語による
ということなんだそうです。
要は、英語の音節をどう区切るかについては、英語のルールによりなさい、ということです。

そして、Introductory Phonologyの本には、この音節の分け方についてのルールも紹介されています。
まずは用語ですが、snailなら、s(consonant) n(consonant) ai(vowel-diphthong) l(consonant)–CCVCワードということになり、
snの部分(母音の前の子音)をOnsetと呼び、lの部分(母音の後ろの子音)をCodaと呼ぶそうです。
そして、次のようなルールがあります。
Maximal Onset Principle(前の子音、できるだけールール) VCCCVというような単語の場合、V-CCCVになる。
Respect Word Boundaries 単語としての区切りを尊重する。trans-plantはこれで説明できます。

この本を読んでみて思ったのが・・・やっぱり音節区切りに迷った時は辞書を見よう、ということです(笑)。

音声学、音韻学の本、なかなかおもしろかったので、また色々紹介しますね。

Download Monitor WordPressでパスワード保護つきファイルのダウンロード

Jolly Phonicsの次のプログラムJolly Grammar1からは、毎回スペリングリストの単語練習とディクテーション(聞き取り書き)練習があります。
当教室ではボイスレコさんというところに依頼して、36レッスン分すべての音声ファイル(MP3ファイル)を作成済みでして、これをJolly Grammar Trainingの参加者の方には、お分けしたいと思っています。
大阪で予定していた時は、CD-Rに焼いて配ろうと思ってたのですが、東京のトレーニングでは、ダウンロードをする方法にしようと思っていました。が、なかなかいい方法が思いつかない。

写真をもらうときに、長~いリンク先が送られてきたりしますよね。
あれは、メールでぽんとクリックできるからいいのであって、紙ベースで配って、入力してもらうとなると大変な手間をおかけしてしまいます。
Yahoo!ボックスの共有フォルダを利用しようかなとも思ったのですが、共有する人のメールアドレスの登録が必要で、これも不便。

WordPress(このホームページを作っているソフトウェアです)でいいのがないかなーと思っていたら、ありました!!
Download Monitorというプラグインです。

http://mikejolley.com/projects/download-monitor/

このプラグインをインストールすると、ダッシュボードに「ダウンロード」というカテゴリが新たに追加されます。
まずは、そちらにダウンロード対象のファイルを登録します。
ホームページへの掲載の仕方ですが、通常の投稿を記載するボックスの上に「ダウンロードを挿入」というボタンが新たにできていますので、それをクリックしてダウンロード対象のファイルをクリック選択すればいいだけです。
このダウンロードモニターを利用して作ったページがこちら。

http://www.mamiec.com/jolly-phonics/downloads/

自分のホームページ内に置くことができると、自由度が高くていいですよね。
しかも、ログインとかユーザー登録とかしなくても、パスワードを入れるだけで簡単にダウンロードできるし。

さすがWordPress!
お世話になります。

母音の説明

Peter Ladefoged氏の”Vowels and Consonants”、Kindle ShopでVowelsを検索して何気なく買った本だったのですが、難しいはずのことをすごく楽しくわかりやすく書いてくれているので、どんな人だろうと調べてみたら・・・。
この方、音声学の権威でした!!
Vowels and Consonantsよりも、日本ではこちらの本(A Course in Phonetics)の方が

A Course in Phonetics with CD-ROM
人気があるらしく、カスタマーレビューによると、「一般音声学の教科書の定番として世界中で読まれてきた本」だそうです。

うわー、すごい人の本と巡り合ったんだー。

ということでまずは、このVowels and Consonantsを私なりに徹底読解!することにしました。

先日は子音について前から並べてみましたが、今度は母音。
まずは、母音はどうやって作るか・・・。
一般に使われている説明は次のみっつのポイントによるそうです。
1.舌の高さ
2.舌の後ろへの引き具合
3.唇の開き方
ちなみに、この説明方法、電話を発明したグラハム・ベルさんのお父さん、Alexander Melville Bellが使い始めたそうです。
例えば
舌が前の方にあって一番高い位置にある場合はee(イー)
舌が後ろの方にあって一番低い位置にある場合(そして口を大きく開ける)はo(ア)。
このo(ア)は自分で確認できます。
お医者さんに喉を見せるときの音で、鏡を見ながら発音すると、舌の後ろが沈んでいくのがわかります。

ただ問題は、
I am sure you have realized, it is difficult to feel where one’s tongue is.
と著者の方も言っているように、子音の時と違って母音の場合はどこに舌があるか自分でわかりにくいこと。
ですので、たとえば
ee,i,e,a(アとエの間の音)については、口に物を挟んだまま(あごを動かさずに)発音することができるのですが、これらについても唇の開け方を説明して、そこからがんばって似た音を出すようにするしかないのかなと思っています。
そして、ひとつひとつ唇の開け方に気を付けて母音を発音する・・・ことが音節認識に役にたつ(Jolly Grammarを使用している場合)ことになります。