英語を教えているとよく聞かれるのが、「いつから英語学習を始めればよいか。」ということです。
私の教室では、小学生以上の生徒を募集していますが、もっと早期から教えてほしいという要望も多いです。
この点について参考になるのが、次の記事。
ノーベル賞学者James Heckman氏の早期教育の効果についての検証結果の記事です。
なお、Heckman氏が扱っているのは、国の政策としての早期教育です。
http://hechingerreport.org/pre-k-researchers-cant-get-past-the-third-grade/
“by third grade, their math and literacy scores generally pull into parity.”
早期教育を行った子どもでも、読み書きや計算のスコアは、3年生までには、みんなに追いつかれる。
早期教育を行っても学力的には、遺伝要素や家庭環境要素が強い、ということなんだと思います。
ところが、それでもやはり、早期教育は、長い人生で輝くためにとても有効なんだそうです。
“it is the only early childhood program that permanently raised IQ and instilled greater character skills which, in combination, delivered greater returns in educational achievement, employment and, most importantly, health.”
早期教育のみが、IQや人格を恒常的に高めるのに有効である。学業、仕事、健康面において成果がみられる。
仕事をしていればよくあることですが、賢いけれど同僚と馴染んでいない人っていますよね。
すごいんだけど、もうちょっと周りに気づかいしてほしい人とか・・・。
仕事もできて、周りに対する気遣いもできる、家庭も円満、健康的、そのような輝く人生を送るために重要なものとは・・・。
“Conscientiousness, self-control, motivation, persistence and sociability have far greater influence on full-time employment, lifetime wages, health, family and social outcomes than IQ and cognitive skills.”
訳が難しいところですが・・・、
バランス感覚がある、自己規律ができる、やる気がある、やり遂げることができる、社交性がある、このような資質が学力よりも、正社員として働いたり、生涯賃金、健康、家庭、社会生活の面で大きな影響がある。
そして、この「学力以外」の資質を高めるために、早期教育は有効なんだそうです。そのサンプルとして挙げられているのがメタボ(笑)。
“At age 35, treated males had zero incidence of metabolic syndrome — a precursor to chronic disease — in stark contrast to 25 percent of males who didn’t participate in the program. ”
早期教育を受けた子供の中で35歳の時にメタボだった子どもはゼロだったが、早期教育を受けなかった子どもは25パーセントだった。
学力は、遺伝や家庭環境によってある程度決まってしまう。
けれども学力以外の社会で活躍するための資質を備えるためには、早期教育がとても有効である。
ということなんでしょう。
前置きが長くなりましたが、就学前の教育については、「学力以外」の資質を高めるための教育に力を入れた方が費用対効果が高いということになります。
もっと早くから英語を教えてほしいという要望に対しては、うちのカリキュラム上、小学生以上を対象にしているんです、と答えています。
MamiECのカリキュラムは、イギリスの小学校の国語教育の手法を取り入れていることもあり、まさに「学力」を高めるためのもの。
早期開始の要望も多いですが、やはり今のカリキュラムをとる以上、費用対効果を考えると、小学生以上を対象とするのが良い気がします。
逆に言うと、Conscientiousness, self-control, motivation, persistence and sociability…この点をはぐくめる、英語を取り入れたカリキュラムなら、早期教育でも有効ということになるんだと思います。
そういう観点から見ると、NHKの「英語で遊ぼう」というタイトルは絶妙で、あの番組で重要なのは「英語」よりも「遊ぼう」の方なのかな、とも思います。